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―朝。
せっかくの日曜だというのに、俺を起こす誰かがいる。
(なんでだ…?
一人暮らしだし…
俺を起こす奴なんて誰も…。)
『八神さん八神さん!!起きて下さいよ、あさですよー!!』
…居た。
目の前には、昨夜の金髪の王子さまが居た。
『お前…。』
やっぱり夢じゃなかったのかと、がっかりする俺がいる。
クリス『朝です…。説明、してくれませんか?』
と、不安げな顔をして俺に尋ねる。
明日=朝……まで待てないってことか…。
理央『…………なんだっけ、クリス…だっけ?
…異世界からやって来たって本当?』
と、かったるそうに尋ねる俺。
クリス『…はい……僕は…セレナ国という国にいました……ですが…。』
『?』
『…異世界と人間界をつなぐ道へ誤って入ってしまい……。』
理央『…なんで間違えるんだ。』
クリス『あ、僕、方向恩地なんですよ。』
と、明るく言うクリスに対して呆れる理央。
『で、気づいたらここに居たんですけど…。』
理央は溜め息をして、クリスに言った。
『帰る方法はないのか?』
『あ、あったらすぐに帰ってますよ!!』
だよなぁ…とまた溜め息をする理央。
沈黙の中、先に口を開いたのはクリスであった。
『あの…八神さん…
帰る方法が見つかるまで…ここに住ましてもらってはダメですか?』
『!!!』
『お手伝いとか僕に出来ることはなんでもやります!!
…どうか…よろしくお願いします!!』
と、お辞儀までしてきた。
(……一人暮らしだし…コイツは男だし…
俺は人を見捨てるなんて出来ないし…)
『仕方ねーな…
ちゃんと家事とかやってもらうからな!!』
『!!!ありがとうございます、八神さん!!』
と、クリスは嬉しがった。
理央『それと…。』
クリス『?』
理央『敬語じゃなくていいから。』
クリス『!!…は…うん!!!』
―こうして、俺と異世界人の奇妙な生活が始まった。
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