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「後は――――」
「もういい!!止めてくれ!!」
更に回想しようとしたら、梨久に泣きながら制止された。
一樹も苦笑いを越えて、苦い顔をしている。
「開けるな」と言われたのに開けてしまい、中身を見て凹んでいる感じだ。
「なぁ、啓」
「…………なんだ?」
「本当にお前ら、付き合ってるのか?」
聞くな馬鹿者。
聞きたいのは俺だよこのやろうっ!
「聞いてて悲しくなるのはなぜだ……?」
「恋人の会話じゃねーもん。いじめっ子といじめられっ子との会話でしかねーよ…」
二人共、頭を抱え出す始末だ。
そんなに酷いのか、やはり。勘違いとかじゃないのか…。
やべぇ、いつか俺、泣きながら発狂するかも知れねぇ…。
「で、でもたまに恋人らしいこともあるんだぞ?」
『……………』
…なんかもう、可哀想な人を見る目なんだが。
不自然に優しいし、雰囲気が。
二人はそれぞれ俺の肩に手を置き、優しく諭すようにこう告げた。
『現実から目を背けるな』
「ちげぇよ!?」
全く、失礼な奴らだ。微妙に当たってるだけに質が悪い。
取り敢えず、二人を納得させるために割りと恋人っぽいシーンを思い返した。
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