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……………。
………。
…。
…長くね?
正直な気持ちを伝えると共に頭を下げた俺には、先輩の表情は見えない。
驚いてる?
それとも無表情だろうか?
今にも潰れそうな心臓の音を聞きながら待つ俺に、先輩はゆっくりと言葉を告げた。
「…倒置法?」
「……………………はい?」
あまりにも意外な言葉を。
我ながら間抜けな声を出して呆然とする俺を無視して、先輩は続けた。
「今、君は倒置法で私に告白したでしょう?」
「…はぁ、まぁ…」
思ったままを言っただけだから正確には覚えてないが、確かにそうだ。
「………君、名前は?」
俺の返答に思案顔だった先輩が次に出した言葉も、意外なものだった。
「名前…ですか?」
「そう。さっさと教えなさい」
腰まで伸びてる金色の長髪を気だるそうに揺らしながら、先輩は続ける。
その態度に驚きつつ、俺は名前を教えた。
「た、高槻…啓です」
「けい?…どう書くの?」
「[啓蒙]の[啓]です」
「ふーん、顔に似合わない変な名前」
え?何これ?
なんで名前けなされてんの?
…て言うか先輩、そういう性格だったんですか?
あまりの展開に混乱する俺に、先輩は追い打ちをかけた。
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