プロローグ

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「うん…わかった…」 その一言だけ、たったその一言だけを口にして、彼女は教室を出ていった。 未練なんて欠片もなかった… 保科さんは、一度も俺と目を合わさず、あっさりと別れることに頷いた。 恋人同士の別れって、こんな簡単なものなのか… 俺の恋花は、あまりにも儚かった… 別れを切り出したのは俺なのに、俺は大きな失恋をした。 そんな保科さんへのあてつけのつもりで、俺は遠くの大学を受けることにした。 俺は君の知らない街へ行くんだ… 君よりももっと俺を好きになってくれる女の子を見つけるんだ… 俺は学んだんだ… 自分がいくら好きになっても 相手が好きにならなきゃ意味ないじゃないか… そんな思いで、俺は受験勉強し、合格し、この街に来た。 新しい恋花を見つけるために… まだ俺は… 恋に対して、臆病なままだったんだ… 自分に自信が持てなかったんだ… そして、 この街に来てもう1年が過ぎた… まだ俺は、本当の恋愛を知らない… 《恋花2~向日葵~》 高田哲也19歳、大学2年生の6月から、この物語は始まる…
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