‡天国と紙一重の地獄‡

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「まったく、そろそろ兄離れしなさいね」 「無理だよぉ…お兄ちゃんは奏が嫌いなの…?」 「いや…そうじゃなくてね?ほらほら、泣かないの。嫌いじゃないからね?」 「…じゃあ…好き…?」 君は沙耶か。 「好きだよ。嫌いなんて言ったことないでしょ?」 「うん…お兄ちゃん大好き…」 さて、これで妹の前で着替えるのが確定してしまいました。 仕方ないのでさっさと済ませるとしましょう。 まずはシャツを変えます。 うちの高校も私服は認められてないからワイシャツです。 「いつも思うけどさ?お兄ちゃん、鍛えてたっけ?」 「太らない程度にはね。…沙耶と奏から逃げるので毎日汗だくだし」 「ほんっと沙耶ってば私のお兄ちゃんに手を出すなんて!七宝の掟なんて私が変えるからね!そしたら結婚して肉欲にまみれた生活を…」 「…そのまえに奏は国の掟を変えないとね」 正真正銘の兄と妹は結婚できません。ちなみに七宝の掟とは馬鹿げたことに七代に一度、七瀬の娘を嫁にすると言うものです。可哀想なことに沙耶は幼い頃から言い聞かされてるからそれが当たり前だと思っているようです。
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