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男は、占い師をみるなりこう言った。
「話を聞いてくれるか。
俺は、何をやっても失敗ばかりで、もうどうしたらいいのか分からない。
自殺だって考えた。
だから、俺に出来ること、
と言うか、俺の得意分野なんかを教えてくれないか。」
「お安い御用。でも、値段は高くつくわよ。」
「自分の得意分野が分かるなら、お金なんて惜しくない。
いくらでも払うよ。」
「そう言ってくれるに越したことはないわ。
では、早速始めましょう。」
彼女はそう言って、
机の下から、ヤシの実くらいの透明の球を取り出した。
「みたところ、あなたは将来はうまくやっていけるようだわ。
しかし、どんな分野でかとなると、この水晶玉を使わないとわからないの。
では、少々お待ちを。」
彼女は、水晶玉の中心に目を凝らした。
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