桃花と鈴音のホワイトラブ?

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目が離せなかったよ。 華麗な540を披露し、ランディングを決めたそのヒトは、仲間とハイタッチして笑顔を見せた。 「…ちょっと、嘘ー!かぁっこいい!」 いつの間にか隣に立っていた鈴音の目にハートがキラリ。 「う、うん」 私は胸が鳴りやまないまま、ずっとそのヒトを見つめていた。 「かぁっこいいね! 絶対かっこいい!」 隣で喜ぶ鈴音が、私にぶつかるたび視界も揺れる。 ちょっと、待って。 鈴音も…? そうだね、素敵だもんね、あのヒト…、同感だよ。    「ほら見て……!あの!ハイタッチした黒いウェアの彼……、 くぅー、イケメンね、いやーん、ステキ!」 私にもたれ掛かる鈴音。 黒いウェア…のイケメン? 鈴音の台詞を聞いて、私のハートにスイッチが入った。 「私ね、私ね……!今、跳んだヒト! ぜーったい、 絶対、かっこいい!」 二人で手を取り合い、何度もコクコク頷いた。   「どうする?桃花」 「来ちゃったね、鈴音」 「うん、かなり来た」 「かっこ良すぎるぅー」 『とうとう来たよ、ホワイトラブ?』 同時に声を合わせた私達。 ハートはすっかり恋色に染まりだす。 ふわっふわの粉雪の中、私達の恋が始まった。それは、私をちょっぴりオトナにしてくれた甘い甘い恋……。
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