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身体中に響いてるドキドキはおさまらない。
黒いウェアのヒトは、彫りの深い顔がハーフかクォーターみたいで、鈴音がとろけそうな瞳で「イケメン」と言ったのが頷ける。
ふたりとも素敵だから、並んで立つ姿は本当に絵になるんだ。
男のヒトが《綺麗》だとか《美しい》なんて、テレビや映画、漫画の世界だけだと思ってたから、ボーッと見とれちゃう。
ときめいちゃうよね?
鈴音……!
チラリと隣を見ると、鈴音は視線を前に向けたまま、大きい目を、もっともっと大きくして声を上げた。
「ちょっと、桃花!
あのヒト達……、
こっち見てるよ、
わ、私達のこと見てる!」
慌てて焦点を合わせると、仲間達の輪の中から真っ直ぐこちらを見ている瞳を見つけた。
時間が止まったような気がした。
鮮やかな青色が良く似合う優しい顔のあのヒトは、私の視線が落ち着くのを確かめると、ゴーグルに右手をかけニッコリ笑った。
繊細な雰囲気を漂わせる黒いウェアのヒトは、真っ直ぐに鈴音を見つめてる。
ド、ドキッ、ドキン。
ド、ドキッ、ドキン。
1秒ごとハートの音が大きくなっていく。
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