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「ね!す~ず~、ね!」
「ねって何が?」
「あれよ、あ…れ…」
「……はいはい、あのことね!じゃ、そろそろ行きますか」
鈴音はモザイク模様が映える白いボードを担いで歩き出す。
「やー!今、わかんないのに適当にわかったふりして流したぁ」
「だって~、桃花のそういう話は別世界からの通信を受けてるんでしょ?
頭の横、ピッてスイッチ押したでしょ~?」
「私は宇宙人じゃない!待てぇ…」
急いで私もボードを担ぐ。
エメラルドグリーンにイエローのラインが入ってるお気に入りのやつ。
前のやつより軽くて、まだ慣れないけど、絶対乗りこなして上手くなるんだから。
今日もヨロシクね。ボードのノーズ部分をポンと叩いた。
「桃花」
鈴音が外で笑いながら、早くおいでと手招きしてる。
早く滑りたい。
鈴音の笑顔もそう言っていた。
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