桃花と鈴音のホワイトラブ?

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はぁ、楽しい! 気分爽快。 スタンスアングルを変えて良かったぁ…、心がほくほく笑っているみたい。 冷たい風の音を聞きながら、どんどん行こう、そう思った瞬間、胸騒ぎがした。 私はスピードを緩める。 理由はわからない。 体が自然に反応した。 ううん、違う。 心が反応したの。 少し先にある大きめなキッカーと見物する沢山のスノーボーダー達。 何かが起こる予感がした。 心臓のドキドキが、ボードまで伝わりそうだよ。 ゆっくり近付くと、速まる鼓動がピークに達する。 視線が集まるその先に、鮮やかな青色のウェアを着た男性がひとりいた。 私が息を飲むと同時に動き出す。 自信たっぷりの速いアプローチ。 リップもしっかり抜けたそのヒトは、 綺麗に舞い上がった。 高く、 高く、 膝を体に引き付けて、 くるりくるっと回りながら、 晴天の青と重なった。 空とひとつになったんだ。 その姿があまりに綺麗で、 鮮やかな写真のように胸に焼き付いた。 ハートが、 ドキンっと弾けて ぎゅっ…と、 ぎゅーっと、 なったの。    
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