二章 揺らぐ和の国

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  テンメイ「………」 テンメイが暗い地下で、ニッテンとガッテンと共に手を組んで呪文を唱えていた。 床には不気味な光を放つ穴が顔を見せていた。 テンメイ「………」 ニッテン「父上…そろそろお休みになられてください」 ガッテン「そうです父上…。このままではお体が保ちませんぞ?」 テンメイ「構わん」 ニッテン「父上!」 ガッテン「お休みください!いくら父上でも、こんなにも妖力を使われては、流石に…」 テンメイ「続けるぞ」 ニッテン「父上…」 ガッテン「ぐっ…」 テンメイ「………」 不気味な光を放つ穴が更に神々しく光り出す! テンメイ「開け…奈落…」 テンメイが言葉を放った途端、光を放つ穴は液体が噴き出す。 ガッテン「繋がった!」 ニッテン「やりましたね父上!」 テンメイ「テンガ…」 液体が動き出す。 液体の中から手が現れる。 手は地面につき這い上がるように液体から人間が現れる。 見た目はテンメイにソックリで、顔立ちはかなり整っていて、キリッとした鋭い目をしついる。その目は白目である部分が白銀色、黒目である部分が黒金色をしていた。裸の格好をして液体を浴びながら現れる。 テンメイ「おお…テンガよ…」  テンガが手を動くかどうか確かめる。 テンガ「今帰りました父上。なかなか良いものでしたよ奈落での修行の日々」 ニッテン「兄様…」 ガッテン「兄様…」 テンメイ「テンガよ…。おお…テンガよ…。さあ…抱き締めておくれ…」 テンガがテンメイを抱き締める。 テンメイ「逢いたかったぞテンガよ…。後はニッテンとガッテンに言うてある…。世を…頼ん…だ…ぞ…」 テンメイはテンガの胸の中で仮面と貴族服を残して灰となってしまった。 テンガ「父上…」 ニッテン「やはり…父上は最初からこうするつもりで…」 ガッテン「止められなかった…。すみません父上…」 テンガがテンメイの残した貴族服を着て仮面を拾い上げる。 テンガ「このことは家内機密とする。今日より俺が父テンメイに化け百鬼夜行の先頭に立つ」 ニッテン「分かりました兄様」 ガッテン「分かりました兄様」 テンガ「見ていてください父上。アナタの残してくれた遺産を歴代最強にまで俺が育んでみせましょう。そして、アナタの願い…和の国を修めてみせましょう」  
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