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ダンテ「さて、そろそろ帰るとするかキスケ。まだ朝も早いし冷えるからな」
???「よくもまあ、こんな呑気に構えているもんだな?それでも、和の国を担う男のひとりなのか?」
屋根の上にはダンテ達を見下ろすようにして、忍装束を着こなした男が居た。
髪は短く逆立ち、眉間にしわを寄せているような困った顔立ちをしている。特徴的なのは、顔を横に半分するようにして残された刀傷である。
キスケ「ハ…ハンゾウさん…!?」
ダンテ「これはこれは、以前和の国を陥れようとした一派の忍者じゃないか?」
ハンゾウ「なかなか君もヒドいことを言うもんだ。男は細かいことを気にしてはいかんだろ」
キスケ「一体…何用ですか?」
ハンゾウ「元師匠に対する目なそんな厳しいもんなのか?少し心が痛いね」
ダンテ「姿を今更現したのには、何かしらの理由があるんだろ?」
ハンゾウが懐から巻物を取り出す。
ハンゾウ「前の前の夜、君ら『老衆』の地に出向いただろ?しかも、対立しているはずの『龍華一族』のアヤメを連れてね」
ダンテ「流石、超上流忍者。情報もかなり良いというわけだな」
ハンゾウ「誉め言葉として受け取っておこうか。本題に入らせてもらうとしようか」
キスケ「その巻物のことというわけですね」
ハンゾウ「君らは気が付いたかどうかは知らないが、アヤメの影にはビャクヤさんが隠れ潜んでいた。それで、影から影を潜んで『老衆』の隠し資料を難なくビャクヤさんは手に入れたんだ」
キスケ「なん…だって…?」
ダンテ「アヤメに読心術がマトモに使えなかったのも、ビャクヤが防いでいたってワケになるな」
ハンゾウ「流石、ダンテさんだね。いかにも、彼らはツバキを救うふりをしてまんまと情報を手に入れた。そして、この巻物は今、『龍華一族』が裏で集めている兵のひとりを利用して手に入れた巻物だ」
キスケ「ま…まさか、それがビャクヤさんが盗んだ情報…!」
ダンテ「見せつけてくれるってけとはくれるんだよな?」
ハンゾウ「条件があるがな」
キスケ「条件…?」
ハンゾウ「俺を君の配下に置いてくれダンテ」
ダンテ「お前をだと…?」
ハンゾウ「この1年間、ずっと悩んでいたんだ…。主人がいない忍者はやはり忍者じゃない。だが、その主人も最高の人間でなくてはならない」
キスケ「だから主を…?」
ハンゾウ「ダメかな…?俺はちゃんと働くぞ…?」
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