二章 揺らぐ和の国

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  ダンテ「さて、そろそろ帰るとするかキスケ。まだ朝も早いし冷えるからな」 ???「よくもまあ、こんな呑気に構えているもんだな?それでも、和の国を担う男のひとりなのか?」 屋根の上にはダンテ達を見下ろすようにして、忍装束を着こなした男が居た。 髪は短く逆立ち、眉間にしわを寄せているような困った顔立ちをしている。特徴的なのは、顔を横に半分するようにして残された刀傷である。 キスケ「ハ…ハンゾウさん…!?」 ダンテ「これはこれは、以前和の国を陥れようとした一派の忍者じゃないか?」 ハンゾウ「なかなか君もヒドいことを言うもんだ。男は細かいことを気にしてはいかんだろ」 キスケ「一体…何用ですか?」 ハンゾウ「元師匠に対する目なそんな厳しいもんなのか?少し心が痛いね」 ダンテ「姿を今更現したのには、何かしらの理由があるんだろ?」 ハンゾウが懐から巻物を取り出す。 ハンゾウ「前の前の夜、君ら『老衆』の地に出向いただろ?しかも、対立しているはずの『龍華一族』のアヤメを連れてね」 ダンテ「流石、超上流忍者。情報もかなり良いというわけだな」 ハンゾウ「誉め言葉として受け取っておこうか。本題に入らせてもらうとしようか」  キスケ「その巻物のことというわけですね」 ハンゾウ「君らは気が付いたかどうかは知らないが、アヤメの影にはビャクヤさんが隠れ潜んでいた。それで、影から影を潜んで『老衆』の隠し資料を難なくビャクヤさんは手に入れたんだ」 キスケ「なん…だって…?」 ダンテ「アヤメに読心術がマトモに使えなかったのも、ビャクヤが防いでいたってワケになるな」 ハンゾウ「流石、ダンテさんだね。いかにも、彼らはツバキを救うふりをしてまんまと情報を手に入れた。そして、この巻物は今、『龍華一族』が裏で集めている兵のひとりを利用して手に入れた巻物だ」 キスケ「ま…まさか、それがビャクヤさんが盗んだ情報…!」 ダンテ「見せつけてくれるってけとはくれるんだよな?」 ハンゾウ「条件があるがな」 キスケ「条件…?」 ハンゾウ「俺を君の配下に置いてくれダンテ」 ダンテ「お前をだと…?」 ハンゾウ「この1年間、ずっと悩んでいたんだ…。主人がいない忍者はやはり忍者じゃない。だが、その主人も最高の人間でなくてはならない」 キスケ「だから主を…?」 ハンゾウ「ダメかな…?俺はちゃんと働くぞ…?」  
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