二章 揺らぐ和の国

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  ダンテ「さて…そろそろ顔出したらどうだカスミ?」 カスミが姿を現す。 カスミ「何時から気が付かれていたのですか…?」 ダンテ「最初からだ。家を出てからずっと後を付けていただろ」 カスミ「流石ですね…」 ダンテ「ヤマトに頼まれたのか?」 カスミ「独断です。すみません…このようなマネを…」 ダンテ「気にするな。好奇心旺盛なのは悪くない」 カスミ「やはり…アナタ方を知りたいんです…。ほとんど何も知らされていないので…」 キスケ「カスミ殿…」 ダンテ「まあ、真実を知ろうとすること悪くはない。だがなカスミ、真実は時にかなり残酷なモノだぞ」 カスミ「残酷…ですか…?」 ダンテ「知らなくて良いことだってあるかもしれない。もしかすると、俺はその知らなくて良いことなのかもしれないな」 キスケ「主を後から知ろうとするのは骨が折れるかもしれせんね…」 カスミ「一体…アナタは何者なんですか…?」 ダンテ「世界を救った勇者でもあり、最も危険な化け物…。両方、俺に相応しい名前かもな」 カスミ「世界を救った勇者…?」 キスケ「主は1年前、偉大なことをなされたんです。世界を護ったも同然なことをなしたんです」 カスミ「それなのに、何故化け物なんですか…?」 ダンテ「世界を守れるだけの力を得たが故にだ。まあ、それは俺が望んだことなんだがな」 カスミ(何か…彼からは重いモノを感じる…。一体…彼の過去には何があったというのだ…!重い…重すぎる…!) ダンテ「後々から分かるさ。ゆっくり知れば良い。俺を知ろうとするのは、むちゃくちゃ大変なんだからよ」 カスミ「は…はぁー…。ところで、先ほどの方は一体、何者ですか?」 ダンテ「またこれも話せば長くなる奴なんだがな?とにかく、アイツは味方の奴だから安心しろ」 カスミ「かなりのやり手のように感じましたが…」 キスケ「拙者の師匠にあたる方になるんですが、前に一騒動起こされた一派のおひとりなんです…」 カスミ「キスケ殿の師匠でしたか。ならば、あの気迫は納得出来ましたよ」 ダンテ「さてと、そろそろ帰るとしますか」 ハンゾウ(何か最近妙だ…。何がとはハッキリとは分からないが…空気がピリピリしてるようなこの感じ…。戦の前の空気に似ている…。何も…何も起こらなければ良いのだが…)  
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