三章 天魔の陽炎

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  まゆり「またか…」 ダンテ「どうしたまゆり?」 まゆり「文を持たせたカラスが1匹だけ帰ってきてしまうのだ」 キスケ「1匹だけですか?」 ダンテ「おかしいな?カラスにはちゃんと記憶させて飛ばしてんだけどもな」 まゆり「迷子になって帰ってきてるのだろうが、そんなことは有り得ないのだ」 ダンテ「一体誰宛のカラスがたどり着かないんだ?」 まゆり「うぬ…。リュウエンの輩なのだ」 ライム「リュウエン…」 シンメイ「あのサムライか。一体、何処に居るというのだ?」 ダンテ「全国を転々としてんじゃねぇのか?あの野郎、留まってるかどうかさえ疑わしいような奴だからな」 ヤマト「ふぅー…。流石に、江戸15周をするのは大変だったな」 サクラ「お帰りなさいなのです」 カスミ「はぁっ…はぁっ…。ヤマト様…速すぎですよ…。追い付きませんって…」 ヤマト「カッカカカ。ところで、何の話をしておったのじゃ?」 ダンテ「イヤな?文のカラスがどうしても帰って来ちまうんだ」 ヤマト「お前の所のカラスは優秀なんじゃろ?どうしてそんなことが起こるんじゃ?」 キスケ「それがよく分からないんですよ…」 サクラ「困ったのです。レンさんと話せる機会が出来るかもしれなかったのに…」 ヤマト「知っとるかダンテ?和の国には磁場のおかしい地があるらしいんじゃ」 ダンテ「磁場だと?」 ヤマト「妖怪らの類から放たれる妙な気迫によって何も寄り付かない地があるらしいんじゃ。もしかしたら、ソイツはその地に居るのかものぉ」 まゆり「磁場か…。それは聞いたことがあるのだ。全国にも転々とそういう地があるらしい」 ダンテ「となると…絞られてくるかもしれないな…。探させるしかないか…」 ヤマト「一体全体、誰を探しとると言うんじゃ?」 ダンテ「名前くらい聞いたことがあるだろ?ヒガ リュウエン。和の国で純血最強のサムライの名前くらいな」 ヤマト「リュウエン…!あのリュウエンかのぉ…!?カッカカカ!お前はなんちゅう奴じゃ…!そんなどでかい奴と知り合いだったとはな!」 キスケ「しかし、困りましたね…。リュウエン殿もかなり戦力になるというのに…」 ダンテ「仕方ないだろ。アイツの性格は…何とも言えないが、ああいう奴なんだからよ」  
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