Peace

9/21
前へ
/58ページ
次へ
「はい、とーちゃく!」 美月はそう言って高校の敷地内に入って行った。 丁度生徒が一番登校して来る時間帯なので、視界にはたくさんの生徒の姿がはいってくる。 さらに、耳には朝練をしているある部活の掛け声が入ってくる。 俺はその声の発信源を見ないようにして、昇降口に入っていった。……まるで逃げるように 「…………やっぱり諦めきれないよね」 悲しげな表情でそう呟くと、美月も昇降口に入っていった。 その掛け声は二人が校舎に消えた後も、途切れることなく登校してくる生徒達を迎えていた。
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加