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2号館、二階にある2年7組。
その教室の中にいる生徒達の会話の内容は、やはり【例の事件】についてだった。
ある生徒達は犯人を推測し合い、ある生徒達は星辰高校は大丈夫かな?と心配している。
そんな教室のベランダに三人の生徒の姿があった。
一人は手すりにもたれかかり、教室の方を向きながら前髪を弄っている春希
もう一人は髪がえり首の辺まで伸びているいわゆるボブで、何だか猫っぽい顔をしている美月。
そして三人目は
明るめのブラウンの髪を後ろで赤いヘアバンドで括っている、なかなか目付きの悪い少年
蓮条 恭弥
(れんじょう きょうや)だった。
この三人の会話の内容も、例に洩れずあの話題に関してだった。
「なあ、恭弥は何であの事件の犯人が捕まらねえと思う?」
俺がそう問い掛けると、恭弥は軽く息を吐いて
「…分からない」
と一言だけ呟いた。
「だよなぁ…
警察が分からない事がただの高校生に分かれば苦労しないよな」
そう言って俺は大袈裟にため息をついた。
「だけど…不自然な点はいくつかある」
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