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日本の首都である東京
時間は深夜であるにもかかわらず、この都市はまだ眠ることを知らずに人々が蠢いていた。
そんな東京にも影の部分はある。
その影に当たる場所に、ひっそりと建っている廃ビル。
外から見るともう何年も使われていない様子が伺われるそのビルの中に、人影があった。
ビルの中に照明は点いていない為、外からはその存在が分からないが確かに中に人はいた。
…しかもその人数は一人ではない。
「諸君、我々はようやく計画を最終段階まで進めることができた。各々が尽力してくれたことに感謝する。」
暗闇から、厳かな声が聞こえた。
それと同時に聞こえる歓喜の叫び。
「残る仕事は計画を実行するだけ。…しかしそれが一番難しいことは君達が一番よく分かっているだろう。」
この場にいる者は全員男の声に頷いた。
「だから…油断はするな!最後の最後まで気を抜かなければ…我々の勝利だ!」
力強く言い切った男、この場の士気はこの瞬間最大まで高まった。
「それでは計画の成功を祈る…解散だ」
男の号令で、この場にいる者達は音もなく部屋から出ていった…
残された男も、ただ一言残すとこの場から去っていった。 「この国に……血の粛正を」
明日から何が起こるのか…?
それは、この場にいた者にしか分からなかった…
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