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高々と腕を天に突き上げる審判
同時にスタンドから湧き上がる歓声
「ストライク！バッターアウト！！
ゲームセット！！」
マウンド上の投手が投げた球は、捕手が構えた場所に丁度収まっていた。
「いよっしゃぁ～～！！」
試合終了のコールがされた瞬間、マウンド上の投手はグローブを宙に投げ上げ、歓喜の雄叫びを上げた。
「やったな春希！！」
「すげぇぜハル！」
駆け寄ってきた同じ野球部の仲間達に揉みくちゃにされながらも、春希と呼ばれた少年は笑顔を絶やさなかった。
「……ナイスピッチング、春希」
最後の一球をその手中に収めた捕手が、一番最後に春希に言葉をかけた。
それを見た春希は、
「恭弥！
ナイスリード！！お前のお陰で勝てたぜ！！」
「勘違いすんなよ、勝てたのは俺のリードのお陰じゃない。お前の投球のお陰だ」
その言葉に人懐っこい笑みを浮かべた春希は、恭弥とグローブでハイタッチを交わした。
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