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「……ルニイ!……………ハル兄!!いい加減起きろってば!」
…誰かが俺の体を揺すってる
「……何だよ恭弥~。いくら嬉しいからって揺らすんじゃねえよ…ムニャ」
「俺、恭弥さんじゃないから!もう…俺起こしたからね!」
そう言って俺の弟は慌ただしく部屋から出ていった。
俺は、閉じていた目を開いた。
「んだよ…まだこんな時間じゃねえか」
俺は寝転んだまま、携帯で時間を確認し、
A.M.7:00と表示されている液晶画面を見た後、ため息をついた。
(あんな夢を見るなんて…まだ未練が残ってるのかな俺)
朝から暗い気分になってしまった俺は、切り換えるべくベッドから飛び起きた。
「早く吹っ切らないとな!」
俺は机の上に置いてある古ぼけたグローブを一瞥した後、部屋を出た。
その黒いグローブには、金の刺繍で
数字の1と、
谷本 春希(たにもと はるき)という名前が綴られていた。
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