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その日レイは戻って来なかった。
俺はずっと考えていた。
「ジョン今日はおとなしいね、具合悪いの?」
澪が心配そうに覗き込み、俺の頭を撫でた。
お袋さんも見に来た。
「あら、本当…いつもなら独り言みたいにクンクンいってるのにね。」
…洋一郎いなくなったから話し相手がいねーのょ…
二人してそんなに撫でるなよ…
あっ!
…やっぱりそうかもしれない。
俺が抱いていた疑問は確信へと変わっていった。
確かめなきゃ…
翌日、二人が出かけたのを見計らったようにレイが来た。
「おはよう、裕太くんっ!」
アイドルスマイル全開だ…
「よぉ…」
夕べあまり寝てないから具合悪いの…
「裕太くん、朝からご機嫌悪いの?」
「いや…ただの寝不足…」
「睡眠不足はお肌に悪いのよ。」
いや、犬だから…
「クソおやじ何だって?」
「…神様のおっしゃる意味が私にはわからないの…」
「あ?」
「ただ、裕太くんに[お前の思った通りだが、これは偶然だ]って伝えてくれって…私、意味わかんない…」
やっぱりそうかっ!
「でさ、これからどうしろって?」
レイは不思議そうな表情のまま答えた。
「任せる…って。」
任せるって…八代今日子捜しはともかくこっちもかよっ!
どーしよ…
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