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「レイ、昨日の家に連れて行ってくれ。」
俺たちは八代今日子宅を再度訪れた。
入り口で表札を確認する…
[八代]
中に入り昨日の部屋に行く。
「レイ。」
「うん。」
俺の力が解放される。
やっぱり…
間違いない。
「裕太くん、どう?」
「レイ、芸能界に入る前のレイはどんな子だった?」
「え?何?」
俺が全く関係ない話を持ち出したのでレイは質問の意味がすぐにはわからないみたいだった。
「あのー裕太くん、それって…」
「もし差し障りがなければレイの事を教えてくれないか。生まれた場所とか…」
レイは困惑気味で俺を見た。
「何でそんな事いうのかわかんないけど、裕太くんが私の事知りたいのならいいよ。」
レイは意を決したかのように真剣な表情で話し始めた。
「私が芸能界に入ったのは15歳のとき、街でスカウトされたの。それまでは普通の高校生。」
「…」
「両親は…お母さんしかいないんだけどね…最初すごく反対したの。でもね…」
レイは俺に背中を向けた。
「私が小さい頃亡くなったお父さんがいつも…レイが大きくなってやりたい事を見つけたらお父さんは絶対に応援するっていってたの。」
「お母さん、それを思い出してくれて許してくれたの。」
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