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レイの体が止まった。
「え?今…」
俺はレイに抱かれたまま説明した。
「八代今日子は生きてる、ていうか最初から死んでねーんだ。だから天国のレーダーで捕捉できなかったんだ。」
「だ、だって…」
「抽選会の事か?多分彼女…レイの母さんは三途の川を渡る前で抽選会に参加しちまったんだろうな。まだ死んでなかったのに…ほら川底トンネルだとあの世とこの世の境がわかりにくいだろ?」
「…」
「で、見事当選してこの世に来た魂は当然生きている肉体へと帰る…」
「裕太くん…」
「ていうか降ろしてくれね?」
「あ…ゴメンナサイ…」
レイは少し落ち着いたように見えた。
「じゃあ…でも…」
「それを今からやるんだろ?レイ。」
「う、うんっ!」
レイは目を真っ赤にして俺に微笑んだ。
ちょっとぎこちない笑顔だな…
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