1275人が本棚に入れています
本棚に追加
その晩、澪とお袋さんが寝てから俺と洋一郎は語り合った。
「神坂さんには本当にお世話になっちゃって…本来なら恨まれても当然なんですよね。」
「いや~俺も死んだおかげで家族の大切さってーの?教えてもらったし、澪やお袋さんみたいな優しい人それに洋一郎さん、あんたともこうして家族に…俺は家族だと思ってっからさ、迷惑かもしれねーけど。」
「神坂さん…ありがとう。」
「本当はさ…」
「はい?」
「戻りたくないんだろ?天国なんて。」
洋一郎はうつむいた。
「そんな事…仕方ないですよね?僕は死んだ人間なんだし、この間まで澪の事が心配でどうしようもなかったけど…今は本当に元気で前向きに生きてくれてるから…」
「安心…か。」
「はは…本当に良かった。また抽選に当たるといいなあ…次に来るとき澪は高校生かな?大学生かな?」
洋一郎はうつむいたまま涙声になっていた。
「それともお嫁に行ってるのかな…」
「…」
酒があったら酔いつぶれるまで飲みたい気分だぜ…
なあ、洋一郎…
最初のコメントを投稿しよう!