別れの予感

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それから一週間後、洋一郎は天国へ戻って行った。 何度も何度も妻と娘の名を呼びながら… これで俺も話し相手がいなくなっちまった。 親父の様子を見に行ってくれる人もいねーし… ブルーだ… 「レイ…元気かなぁ。」 俺はため息混じりに呟いた。 「元気よっ!」 突然、本当に突然目の前にレイ。 「うおおおっ!」 俺は後ろにすっ飛んだ。 すっ飛んで襖にぶち当たり破いてしまった… 「だ、大丈夫?裕太くんっ!」 レイは慌てて駆け寄るとひっくり返っている俺を抱き上げた。 「な、なんでここにっ!」 レイだ…本物だっ! さっきまでのブルーな気持ちははるか彼方…おそらくブラジルのコーヒー農園辺りまでぶっ飛んでしまった。 「裕太くんっ!レイ、会いたかったっ!」 レイは俺を抱きしめた。
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