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数分間歩き続けると、目の前に町らしき場所が見えた
ぐにゃぐにゃの建物が密集して多数集まっている
「マリアンヌ…ココは?」
僕は気になりマリアンヌに聞いてみた
「ここは人形達の間では“フローチャート”と呼ばれている町です」
「フローチャート?」
「はい、フローチャートとはヴァンの世界の言葉では『流れ図』という意味です」
「流れ図……なんかすごいな…」
「すごい?」
町を見回すヴァンを見ながらマリアンヌは言った
「だってさ、なんか知らないけどとりあえずココは僕のいた世界とは別の場所…異次元なんだろ?」
「そうです」
「異次元にこんな場所があるなんてさ…ホント驚きだぜ?」
「…そうですか?」
「もちろんさ」
またキョロキョロと辺りを見回しながらヴァンが言った
「ヨウコソ、フローチャートへ!」
クマの人形が僕の元に飛んできた
そして僕に「アゲル」と言ってクッキーの缶を差し出す
「僕にくれるの?」
「ウン」
クマの人形は頷くと「ヨウコソ、フローチャートへ!」と言いながら何処かに飛んでいった
「あのクマさんは?」
「あれはこの町のマスコットです、この世界の町には一つの町に一体のマスコット人形がいます」
「ふーん、それで?」
「マスコット人形となった幸福な人形はその町に来た人々に対しておもてなしをしなければなりません」
「そっか…それで僕はおもてなし変わりにクッキーの缶をもらったと」
「はい、おそらくそうでしょう」
「人形の世界にもそんなしきたりみたいなのがあるんだー、なんか関心…」
「人形はヴァンの世界では話すことも動くことも出来ません、だからこの人形の世界では人形は動くことも出来るし話すことも出来るんです」
「へー、マリアンヌって物知りなんだね」
「…この世界では常識です、しかし………」
「何?何かあるの?」
「この世界の人形はあまり人間をよくは思っていません」
「は?なんで?」
「昔、ヴァンのように一人の少年がこの世界に墜とされたんです、その時…」
マリアンヌがこの世界の過去を語り出したちょうどその時
『フフ』
「!?」
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