contract;1-ゲームの時間-

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「ここで休んでいてください、私はちょっと町を散策してみます」 僕をベンチに座らせ、マリアンヌはどこかへ行ってしまった 「はあ…なんだったんだ…本当に…」 『…き………て………早く来て……早く……私の所へ』 「!?」 また誰かの声 さっきと同じ アリスとも白ウサギとも違う…誰かの声 「誰なんだ…君は…」 『…フフ、こんにちは…でも残念…私のことは教えてあげなぁい…私は私…貴方はヴァン』 「な、んで…僕の名前……!?」 『言ったでしょう?何にも教えてあげなぁい…』 なんだかイヤだ… なんなんだ、この声は 僕はただ蹲って耐えた 囁く不気味な声に… 早く出たい こんな世界から 帰りたい 元の世界に… * 「…少年はアノ子の“大切なモノ”を探してフローチャートに到着しました」 『ウフフ、知っているわ』 「…貴女は少年に意地悪をしましたね?私はずっと少年を見ていましたよ」 『フフ、いいじゃないの…ただの挨拶よ』 「…挨拶…ですか、全く貴女には困ったものです」 『アハハ、多少は許容範囲でしょう?』 「…まぁ、確かにそうですが…」 『ならいいじゃないの…』 先程ヴァンに聞こえていた声が、ヴァンを見ている怪しい影と話をしているようだ 「……ところで、どうなさるおつもりですか?」 『お前はそのまま尾行を続けろ、いいな?』 「…はい」 ベンチに蹲っているヴァンを見ながら怪しい影はそういった 怪しい影はテレパシーを使っているようで、怪しい影と話していたらしき人物は傍にはいない 怪しい影はその後もずっとヴァンを見ていた ヴァンはそんなことにも気づかず、ただベンチに蹲っていた  
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