contract;2-人形の町での悲劇-

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僕はいつの間にか寝ていたようだ 不気味な声に話しかけられていたにも関わらず眠ってしまうなんて… 以前の僕には多分あり得ない 「ヴァン、もう体調は平気ですか?」 マリアンヌが僕に問いかけてくる 「うん、大丈夫」 僕はマリアンヌに心配かけまいとそういった まだ不安ではあるけれど、今は声も聞こえないし、なんとか大丈夫なはずだ 僕達はまた町を歩いた 見れば見るほど可笑しな町だ 人形の世界っていったら僕はやはり、女の子が好きそうなフリルがたっぷりで そしてメルヘンなものが浮かぶ (この場所にはメルヘンさとか可愛さが欠けているのだろうか?) と僕は思わずそう思ってしまう とにかくよく知りもしないこの世界で、アリスの提案したゲームをクリアしなければ、今の所 元の世界…つまり僕のいるべき人間の世界に帰れない それにしても… アリスの大切なもの… アリスの大切なもの…? 僕にはどうしても分からない 初対面の相手の大切なモノを、よく調べもせずに探しに来た自分が馬鹿だった 僕は今頃つくづくそう思った 「なあマリアンヌ、アリスの大切なモノって何なのか分かるか?」 「さぁ、アリスは貴方にしか分からないだろうと言っていました」 「僕にしか…?」 「はい、だから私もよくは分かりません」 「そっか…」 僕達は会話をしながらもフローチャートの町中をくまなく探したが、 結局、ゲームのヒントを持っている奴らにも、アリスの大切なモノも見つからなかった  
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