contract;2-人形の町での悲劇-

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「あちらへ行けばすぐにわかる」 「く、来るな!!」 ヴァンは傍に倒れているマリアンヌを抱き上げ、頭痛に耐えながら走りだした 「鬼ごっこかい?ヴァン、随分と物分かりが悪いようだね」 ヴァンは不審人物のいうことにはかまわず、フローチャートを走り回った しかし、町の地形を全然知らないヴァンにとってそれはとても不利なことだった 「そんなっ…!?」 ヴァンは会えなく路地の行き止まりに入ってしまった もはや逃げる場所など何処にもない 『ねぇ、ヴァン…どおして逃げるの?』 「う…くっ…」 ヴァンはまた頭をかかえる 『逃げたって無駄よ、さぁヴァン…貴方を追いかけている者に捕まって、早く私の所へ来て』 「冗談じゃない!!」 ヴァンはそういったが、不審人物はヴァンを見つけ、どんどんとヴァンに近づいてくる 「く、くるな…来るな!!」 「やれやれ…うるさい奴だ…」 「なんで僕を狙うんだよ!!」 ヴァンはそう叫んだ 「“ある目的”のためにお前が必要だからだよ、ヴァン」 「僕は…そんな重要な人物なんかじゃない!!」 「ははっ、ははは!!」 不審人物はいきなり笑いだした 「な、何がおかしい!」 「愚かだなヴァン、世の中にある全てのモノの価値観など人によって違うのだよ!」 「!?」 「お前も、世の中の奴も、皆本当に価値のあるモノを知らないんだ、価値が分からないんだよ!」 不審人物がそういうと、不審人物の回りに銀色の陣ができた 「!?」 僕はそれを見て驚く そしてせめてマリアンヌだけはと思い、マリアンヌを抱く力を強くした 「憎き世界に罰を与えよ 絡みつけ!シルバーチェイン!」 不審人物がそう答えると、ヴァンの回りから無数の鎖が飛び出す まるでこの世界に墜とされた時のように… 「くっ…」 鎖はどんどんと僕を締め付ける 「抵抗するからですよ、ヴァン…」 パチンと不審人物が指をならすと、ヴァンと不審人物は光に包まれた  
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