contract;1-ゲームの時間-

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僕はどうしてしまったんだろうか 数時間前(少なくとも僕が思っている)までは自分の部屋にいたはずなのだ しかし今、僕は『人形の世界』とやらに連れて来られていて、途方にくれている 「ねぇ、ヴァン」 「?」 この少女はアリス 先程出会った女の子 この状況すら把握しずらい世界で、何故か目が話せない白銀の少女 「ゲームをしましょう?ヴァン」 「え…ゲーム?」 「そう、ゲームよ」 いきなりのアリスの言葉に僕はあっけをとられた ゲームをしようというものの、この世界にはゲーム機といったものは見当たらない 「どんな感じのゲーム?」 「簡単よ、私の大切なモノを探して来て欲しいの」 「…それってゲームなのか?」 「ええ、ゲームよ」 「…宝探しみたいなものかな?」 「フフ、簡単に言えばそうカモね」 アリスはニコッと僕に向かって笑うと右手を上げた すると僕をこの場所に導いてくれたフランス人形がアリスの傍に寄っていった フランス人形はアリスに何か言われると僕の元へ飛んできた 「ヴァン、私が貴方のお供をします」 「!?」 この場所に導いてくれたフランス人形の口調が変わっていた 心なしか前より人間らしくなっていて、しかも体も少しだけ大きくなっている なんだかまるで生きているようだ 「ヴァン、私の大切なモノはこの世界の“何処か”にあるわ…マリアンヌを連れて行っていいから見つけてきてちょうだい」 「…見つけたら…何かあるのか?」 「うーん…そうね…あ、貴方を元の世界に返してあげようかしら…でも…ああ、まあいいわ、それにしましょう」 「ほ、本当に!?」 「ええ、私は嘘はつかないわ」 「分かった、やるよ!」 僕はアリスのゲームに付き合うことにした ゲームをクリアできれば元の世界に帰れるんだ さっさとゲームを終わらせて元の世界に帰ろう 僕はそればかりを考えていた  
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