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立派な洋館、まぁ城という風体ではないから豪邸と言うのが正しいかな。
しかし、こんな立派な建物なのに海からは全く見えなかった。
いくら周囲が鬱蒼とした森と言えど、この大きさならば少しくらい見えても不思議ではないはず。
僕はなんとなくそんなことを考えて、館を見上げた。
レンガで造られた外壁に小綺麗な窓ガラスを嵌め込まれた窓、煙突や黒い屋根など別に変わった所は見受けられない。
いわゆる普通の豪邸だ……普通の豪邸ってのがどういう物かは知らないが。
さて、氷昼さんは僕より五メートル程先に行ってしまっている。
どうやら、玄関はあの大きな扉らしい。
トランクを持つ手に再度力を込め、氷昼さんの後を小走りに追いかけた。
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