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何故、僕はこんな荷物を持って普通席に座っているんだろう。
いや、別に普通席なのはいいんだ。
氷昼さんがグリーン車なのもそんなには気にしていない。
だけど、いくらなんでも荷物くらい自分で持ってってくれたって良いじゃんか。
ていうか、スーツケースとか限りなく邪魔なんですけど……
しかし、昼間とは言え電車の車内の人はまばらだな。
そのおかげで二人分の荷物を置くスペースはあり、あまり人に迷惑をかけずにすんだ。
ガタガタと電車に揺られながら、僕はこれから向かう島のことを考える。
六獅子島……個人所有の島で沖縄から少し離れた場所にあるらしい。
沖縄とほぼ同緯度にあることから暖かい気候であることは予想できる。
僕達の他に招待客がいるかどうかはわからないが、まぁいるなら楽しくやりたいなぁ。
綺麗なお姉さんだとさらに嬉しいなぁ。
とか考えてちょっと妄想の世界へ旅立つ。
…………はっ! 周りから白い目で見られてる。
どうやら人には見せたらいけない顔をしていたらしい。
いけないいけない、とりあえず島に着いたらその辺のことはゆっくり考えよう。
島に行くには船で行くらしい。
結構な時間がかかるみたいだから今のうちに寝ておこう。
そう考えて僕はスーツケースを足で挟み、僕の荷物のボストンバックを抱え、不自然な格好で眠りに落ちた。
島の波打ち際で楽しく遊んでいたら波に拐われて巨大なイカと闘う悪夢を見た。
寝るときの体勢はもう少し考えよう。
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