改賊の記憶 第3章

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  ウィーズに教えてもらった川は、透き通ってる訳じゃなかったけど、思ったよりも綺麗で驚いた。急いで服を脱ぎ、洗濯を兼ね下着もどきの格好になって飛び込む。 水が大きな音を立てる。 すごく気持ちいい。嫌なこととか全部忘れられそうだ。 うんまあこれ以上忘れたら洒落にならないんだけども。 軽く泳ぎ、身体を動かす。 やっぱり水中は動きにくいが、運動になりそーだから好きだ。オイラが改賊になったのもそんなダイエット効果が理由……だったら哀しいなあ。 不安は横に置いといてそんなどうでもいい事を考えながら、ふと、川に何かが浮いていることに気付いた。 何だろう。 丸くて小さいのが二つ並んで浮かんでる。 そんで、ゆっくり流れてくる。 動きにくい水中で、オイラは慌てる事も騒ぐ事も忘れて思いっきり右足を蹴り上げた。  
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