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「ほいよ、ワニ肉お待ちーっ」
「待ってました、美味しそうですね」
いい薫りをさせた包み焼きを手に持ってきたウィーズを、リハルトが拍手で歓迎する。
「ちょっとリータ、顔青いわよ。冷えたんじゃない?少し寝たら、あたしの膝枕で」
「お腹空いてるから結構っス…」
筋肉のついた脚は見るからに固そうだった。
いやほんと、さっきの水浴びは何と言うかいい運動とかそんな生易しいもんじゃなく。
完璧にハメられた…ウィーズに。
まさかあの「行ってら」にそんな意味が込められてたなんて。
まったく気付かなかったし!
ああ、腹が立ったら何故だかお腹が空いてきた。
連続いじめ犯のウィーズはリハルトと並んで性格悪いけど、料理の腕だけは一流みたい。皆に取り分けている料理はすごく美味しそうだった。
色が鮮やかだし、盛りつけも丁寧で、食材の多くはこのジャングルで採ったらしいけど、そうとは思えないくらいだ。
「ん」
声ともつかない合図と共に、ウィーズがぶっきらぼうに皿を寄越す。
「どもっス……あの、オイラのお肉は?」
手渡されたのは、パンと野菜スープにサラダ。うん、ばっちし野菜被ってる。
問われたウィーズが眉間に皺を寄せて答えた。
「だってお前、宗教上の理由で肉とか食えないっつってたじゃん」
「ええええええ?!?!ι」
嘘っ、こんな育ち盛りなのに?!
うううっ、オイラが折角捕まえたワニがぁ!
でも、記憶が戻った時に後悔してもアレだし…。
仕方なく涙を堪え、目の前のささやかな料理を食べる。あ、美味しい…。
オイラはパンとサラダとスープをお代わりし、皆、十分食事を終えてから再出発した。
「あの、ウィーズ」
「あん?」
フライパンを担いだ背中に呼び掛け、並んで歩く。
「オイラの宗教って何スか?」
「ん、無宗教」
今すぐワニアレルギーになっちゃえ!!
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