改賊の記憶 第2章

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* ジャングルの中は思っていたよりも涼しくて、荷物の重さはさほど気にならなかった。 「あたしとウィーズが先に切り開くから、リハルトと姫、リータは後からついてきて頂戴。見落としがあるといけないからね」 マギーがてきぱきと指示を出す。最初はおネエ言葉に引いちゃったけど、こういうとこを見ると「副戦長」って感じがする。 戦長とオイラが通った方角を辿り始め、一番にぶつかった問題は、二人が通った形跡がほとんどないってことだった。普通は足跡や枝を切った跡があるはずだが、曲がったと思われる場所に、ナイフで木に傷をつけてあるだけだった。 「襲われそうになったら悲鳴上げるからな!すぐ助けに来いよリハルト!」 リハルトが笑顔で「否」と答えると同時に、ゴッ! と音を立て、ウィーズの頭部にマギーの拳が炸裂する。 「誰がアンタなんか襲うのよ!あたしにも好みがあるわ!」 「いってェ!!マジいってェエエエッ!!」 怒りを露にズカズカ突き進んでいくマギーの後ろを、苦情を訴えながらウィーズがついていった。 「やれやれ。僕達は道草でもしながら、二人でのんびり行きましょうか、姫。……。あ、サルもいましたね。すみません、矮小な存在に気付いてあげられなくて」 「いいええ、どうぞお構いなくぅ!」 向けられた爽やかな笑顔に、壮絶な笑顔で答える。 ついあの二人のやり取りを「夫婦漫才みたいだなぁ」と思って眺めていたら、残された面子が非っ常~にまずいことに気付くのが遅くなってしまった。 うう、やばい感じだ。『姫』はさっきからオイラを見ようともしてないし……もう一人は顔だけ男。
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