オープニング

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  「…もう貴方とはやって行けないの」  涙を流しながら、目の前の女、由美がそう言った。  無理だとは解っていても 藁(わら)をも掴(つか)む思いで由美に詰め寄り由美の両肩を掴んだ。 「俺の悪い所は治す、だから…だから何とかならないのか?由美頼む!」  我ながら情けないが背に腹は代えられ無い。  由美は、ハッとした表情をし俯(うつむ)いたが 逸れはほんの一瞬で 直ぐに顔をあげると 「ごめんなさい…」 それだけ言うと 俺の手を振り解き 足元に置いてあった荷物を持ち振り返る事無く部屋を出て言った。    「待ってくれ!由美ー!」    急いで後を追うが、どれだけ走っても由美との距離は離れて行く。    どんどん離れて行き最終的には消えてしまった。   
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