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私がルーの背に慌てて座り直すと、ディルがククッと笑った。うっ…笑われた!
「雪が積もってる」
そう言って、私の頭や肩を払ってくれる。雪がパラパラと落ちた。
私は、益々恥ずかしくなる。赤いであろう顔を隠す様に俯く。寒いし、恥ずかしいし!
「…もう、あまり持たなそうだ。今のうちに、良く見ておけよ」
持たない?何が!?さっきルーも…。
そう思って顔を上げると、ディルは顔を上げて何かを見上げていた。え…?瞬間、ゴオッと風が吹く。
「ひっ!さ…むーっ!!!」
歯がガクガクした!私は、ルーの背で縮こまる。わ、私にコートを…ブーツも……。
「ミヤコ…」
ディルが私を見て、着ていたコートを脱ぐ。…まさか!?
フワリと私の肩にコートが掛かった。
「俺より寒そうだ」
コートを掛けられた背中に、ディルの温もりを感じる。だ…ダメダメ!
「いいよ!ディルが寒いよ!!!」
私がコートを脱ごうとすると、じゃあ…と、ディルは私を横抱きに抱え上げた!
「ひゃっ!?」
「ミヤコが俺に抱き付いてくれれば暖かいぞ?」
ディルがニヤリと笑う。何言ってるのー!!!
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