10 遥か彼方の物語Ⅱ0.5

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私がルーの背に慌てて座り直すと、ディルがククッと笑った。うっ…笑われた! 「雪が積もってる」 そう言って、私の頭や肩を払ってくれる。雪がパラパラと落ちた。 私は、益々恥ずかしくなる。赤いであろう顔を隠す様に俯く。寒いし、恥ずかしいし! 「…もう、あまり持たなそうだ。今のうちに、良く見ておけよ」 持たない?何が!?さっきルーも…。 そう思って顔を上げると、ディルは顔を上げて何かを見上げていた。え…?瞬間、ゴオッと風が吹く。 「ひっ!さ…むーっ!!!」 歯がガクガクした!私は、ルーの背で縮こまる。わ、私にコートを…ブーツも……。 「ミヤコ…」 ディルが私を見て、着ていたコートを脱ぐ。…まさか!? フワリと私の肩にコートが掛かった。 「俺より寒そうだ」 コートを掛けられた背中に、ディルの温もりを感じる。だ…ダメダメ! 「いいよ!ディルが寒いよ!!!」 私がコートを脱ごうとすると、じゃあ…と、ディルは私を横抱きに抱え上げた! 「ひゃっ!?」 「ミヤコが俺に抱き付いてくれれば暖かいぞ?」 ディルがニヤリと笑う。何言ってるのー!!!
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