10 遥か彼方の物語Ⅱ0.5

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ディルは、そのまま手を伸ばす。あ…手招き? ルーがコクッと頷いた。私は、視線をまた木々に戻す。 すると、光っていた球が所々で弾けて消えた。ちっちゃい花火を見ている様で、これもまた綺麗だった。 『いけね!早く早くミヤコー!』 頭に響く声。はい!? 視線を向けると本当の姿になったルーがいて、突然、私の腕をカプッと…噛んだー!!! 「ちょっと、な…ああぁーー!!!」 痛いと思う暇さえ無く、そのままルーにあっという間に窓から引きずり出されてしまった! 「ギャーー!!!」 そして私は、訳が分からないままにルーの背中に乗せられてしまう。は…何なの…これー!!! 『しっかり掴まってー!』 「え…ええー!!!」 ルーは駆け出した。私は、慌ててルーに掴まる。 顔に雪の粒がバシバシ当たって目が開けられない!寒いっ!!!私は、ルーにしがみ付いていた。 私が混乱している間に、ルーは立ち止まる。ふえぇ…。 震えながら目を開けると、ディルが私を見下ろしていた。 「…何て格好だよ」 …へ?ルーに体ごとベッタリしがみ付いていた私。確かに…。 『恥ずっ!!!』
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