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「ほら、寒い」
「な…もう!」
私は、慌ててディルの首に抱き付いた。
ククッと笑い声がして、ディルも私を抱く腕に力を入れる。わっ!
ギュッと抱き締め返されて思った。
『思うツボ…だった?』
でも、ディルの言う通りで、くっついた場所が暖かい。
「な?暖かい」
「…うん…」
暖かいのはそれだけかな?私は、顔が熱くて仕方なかった。
「…すっげー!!!」
突然、ルーの声が響く。いつ戻ったのか、いつもの声だ。
一体?私が顔を上げると、目の前の木々が光輝いていた!うわぁ!
さっき見た小さな花火みたいな現象が全部の木で起こっていた。
「キラキラー!」
ルーのはしゃぐ声。本当に!
色々な色の光の球が、次々に弾けて消えて…まるで、花火大会のフィナーレだ!
それが目の前で…規模も広大で…視界いっばいに映る。
「凄…」
私の見ていた目の前の木が光の塊の様になった。
他の木々も次々に光って同じ様になって行く。なんて圧倒的な光!
『…眩し!』
光のあまりの眩しさに、私は、ついに目を瞑った。
「終わりだ…」
ディルがポツリと呟いた。
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