10 遥か彼方の物語Ⅱ0.5

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「寒いぞ」 …もう!寒いじゃないよ! 「寒いなら、家に入ろう?夕食出来てるから」 「俺は、まだこのままでも…」 「ご馳走ーーっ!!!」 ディルの言葉に、ルーの叫び声がかぶる。 な、何っ!?私とディルはビックリ。 ルーは、一目散に家に向かって走って行く。 何であんなに急いで…?あっ!もしかしたら!!! 「…何だ?」 ディルは首を傾げる。ルーの行動の意味が分からないんだ! 「ディル、早く戻ろう!せっかくのご馳走、ルーに食べられちゃうよ!!!」 「…ええ!?」 「ルー、待ってー!」 私達は慌ててキッチンに駆け込んだ。 「何だー!?帰って来るの早いー」 ルーはお鍋を火に掛けて、スープを温めていた。 『あ、あれ!?』 「何だよ…。急ぐ事なかったじやないか」 本当だ…。ディルがやれやれと椅子に腰掛ける。 「ありがとう。先に食べられちゃったかと思ったよ…」 「冷めたスープは美味しくないからなー」 …は?ルーの傍らにはスープ皿が一枚。やっぱり、1人で食べる気だったなー! ルーは、しれっと椅子に座る。危なかった…。
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