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「寒いぞ」
…もう!寒いじゃないよ!
「寒いなら、家に入ろう?夕食出来てるから」
「俺は、まだこのままでも…」
「ご馳走ーーっ!!!」
ディルの言葉に、ルーの叫び声がかぶる。
な、何っ!?私とディルはビックリ。
ルーは、一目散に家に向かって走って行く。
何であんなに急いで…?あっ!もしかしたら!!!
「…何だ?」
ディルは首を傾げる。ルーの行動の意味が分からないんだ!
「ディル、早く戻ろう!せっかくのご馳走、ルーに食べられちゃうよ!!!」
「…ええ!?」
「ルー、待ってー!」
私達は慌ててキッチンに駆け込んだ。
「何だー!?帰って来るの早いー」
ルーはお鍋を火に掛けて、スープを温めていた。
『あ、あれ!?』
「何だよ…。急ぐ事なかったじやないか」
本当だ…。ディルがやれやれと椅子に腰掛ける。
「ありがとう。先に食べられちゃったかと思ったよ…」
「冷めたスープは美味しくないからなー」
…は?ルーの傍らにはスープ皿が一枚。やっぱり、1人で食べる気だったなー!
ルーは、しれっと椅子に座る。危なかった…。
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