2 遥か彼方の物語6.5

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ディルの体がズルリとずれる。おかげで、死にそうな重さではなくなったけど、ディルと私の顔と顔が合わさる位置になった。 『うわっ!近い近いっ!!!』 ドクンッ! 心臓が跳ねた!!!あまりの状態に、私は恥ずかしくて、どうにかなりそうだった。 私がこんな事になっているのに、ディルは……ハッキリ言って、凄く眠そう。 ち、ちょっ!今にも眠りそうで…揺れているんだけど!!! ドサッ! 「ギャッ!おっ重…!!!」 心配した通り、ディルが私に倒れて来て、また私は押し潰された。ディルは私の耳元に顔を埋める。 「…おーきーてぇ!!!」 私がもがきながら叫ぶと、耳元で何だか嫌な呟きが聞こえた。 「…るせーな…その口…塞ぐ」 『その口塞ぐー!?』 ディルはゆっくり頭を上げると、私の顔に顔を寄せて来る。 「ま、待って!起きてるの?口塞ぐって…!?」 「…口で…」 ディルはニヤリと笑う。 「!!!」 ディル…まさか、起きててからかってるの!? 相変わらず、体は動かない。鼻が当たらない様にか、ディルが顔を傾けたのを見た時、必死に最後の抵抗を試みた!
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