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「お喋りはもういいかな?王と王妃よ」
おそらく敵の代表格であろう、銀髪の剣士が冷笑する。
その瞬間、敵も一斉に構えた。
「…来るみたいだな」
レイは構えた。
しかし、ティアの次の一声によって、それは解かれた。
「待って!」
「何かな、ティア王妃」
剣士は相変わらず冷ややかな笑みを浮かべている。
「提案があるわ。貴方達は現王であるレイを狙っているのでしょう?なら何も罪のないこの子を逃がしても問題ないわね」
そう言ってティアは敵を睨んだ。
「どういう意味だ?」
敵の中の若い女性が言った。
「今から1分待ってほしい。その間にこの子を逃がす。ただし私たちはここからは一歩も動かない」
「ちょっ…何言って…」
もう一人の従者は意味をその理解できなかったらしく、何か言おうとしたが遮られた。
「…いいだろう。約束は守ろう」
銀髪の剣士はニヤッとしながら言った。
「…王妃よ、確かにその赤ん坊には用はない…我々アークナイトは手を出すまい。貴様らが一歩たりとも動かない限りはな。だが動いた場合は交渉決裂で…殺す」
「わかったわ…じゃあ今から一分ね…」
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