帰ってきた男

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見たい番組があるわけでも無くただ垂れ流すように壁にもたれ掛かり意味の無いテレビのニュースに耳を傾ける。 政治家の汚職にリストラ、株価低迷。 マイナスなニュースばかりが流れてくる。 いい加減飽き飽きしてきたところにヤカンからヒューと元気な声が聞こえた。 先程買ったカップ麺を手にキッチンへと向かいお湯を注ぐ。 そしてそこでタバコに火を点けて口にくわえたまま部屋へと帰って行く。 電気を点けていない部屋は日が落ちてきて大分暗くなりテレビの明かりの方が強くなってきていた。 テーブル変わりの段ボールの上にカップ麺を置きゆっくりとタバコの煙りを吸い込む。 テレビにはまだ、不祥事を出した会社の批判が流れていた。 CHILDREN KINGDOMの奴らが大人を敵にまわしたい気持ちがよく分かった。 そして俺は奴らの敵になるのか味方になるのか。 ゆっくりと考えなくてはいけない。 そう思い出来上がったカップ麺に箸を付けた。
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