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5月も後半に差し掛かり日差しも少しずつきつくなり始めた頃、俺は2年振りに三宮の街にいた。
昼を少し過ぎた頃で阪急の駅の北側にある3つ程の山のようなオブジェがある広場通称”パイ山”でタバコを吹かしていた。
平日の昼間。
人を待つだけの俺はただ街の人々が行き交うのを眺めていた。
スーツを着たサラリーマンに若い男女。
中には制服を着た学生の姿も目に付いた。
しばらく街を眺め懐かしさに酔いしれながら2本いや3本目のタバコに火を点けた時不意に聞き覚えのある声がした。
声がした方を振り返る広場北側のの交差点の信号を無視して走ってくる一人の少年。
少年は俺の前までやってハァハァと切らした息を大きく吸い込みゆっくりと落ち着ける。
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