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赤い月が昇る
狂っている
私の血を貪るように味わう彼も、 首筋から血を抜かれて“感じている”私も…
私たちにとって、単にお互いの生を繋ぐその行為が他人理解されないことはわかっていた。
血を吸わなければ彼が生きれないことを、自分が生きる理由のひとつと考えていた。
だってそうだ。
手首を浅く切り続けているより、お手軽でしょ?
ちょいと一噛み。
それは、甘い甘い痛み。
病みつきになりそうな、クセになりそうな甘い痺れ。
あぁ今日も、彼と私は、狂っている…
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