赤い月が昇る

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連休前の金曜日。 ちなみに、13日だったりする。 まぁ、私はキリシタンじゃないから関係ないんだけどね。 チェーンソーもって襲ってくるお化けとか。 だが、私の隣で何やらブツブツ呟いている少年は違う。 首からぶら下げているロザリオを握って、帰りのホームルームが終わることをひたすら怖がっている。 学校から出たくないのだろうか? 私は、そんな彼から目を移動して、窓の外にやる。 グランドには人だかり。 それは学校だけの人間ではない。 お目当ては宝流 龍二。この学校で一番モテる男。 それはもう彼のブロマイドは200円。だしたものは三分で入荷待ちなほど。 サッカー部である彼の雄姿を見ようと毎日グラウンドのゴール裏ネットに出来る人だかり。 よくやるなー この寒い時期に… なんて思っていたら、ホームルームの終わりの合図。 あぁ。 今日も終わった。 カバンを背負うとわざと隣の机の足を蹴って教室を出た。 .
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