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「約一世紀生きて来ましたが、貴女のように血の美味しい方にあったのは初めてですよ。」
彼は私の首筋に手を触れるか触れないかの距離を保ちながら撫でるような感じで手をかざす
「寄らないでっ!」
私は彼の手を叩き落とすと、できるだけ彼から離れようとベッドの上をはった
背中にベッドの背がついて私はそれ以上下がれなくなって、私は先ほど牙をつきたてられた首筋を撫でた
が。しかし、何処を触っても、何処から触っても、首筋には…
「そんなに首筋を撫でたって傷はありませんよ。」
私の近くに腰かけて、首筋に当てていた私の手を取ると、震えていると分かっているくせに話そうせず、そのまま自分の心臓の上に乗せた
ビクッ。
予想以上に冷たくて、私は体を震わせた
「冷たいでしょう?気づいていると思いますが私は吸血鬼です。」
握られている手に力がかかって私は一瞬そちらを見たが、すぐに視線をまだ名前も知らない“吸血鬼”に戻した
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