優しい月

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「はい、水無月でございます。」 しょうみネエが電話をとってくれた。 俺は今、洗い物をしていたので助かった。 まあ、誰からの電話かはわかってはいるが・・・。 「輝矢くん。」 「はいよ! 今行くよ!」 俺はパタパタと小走りでしょうみネエから電話を受け取った。 「もしもし。」 『輝矢? ちゃんと朝ご飯たべたか?』 「ああ、食べたよ。今から出るところだ。」 『照美ちゃんも元気そうでよかった! ・・・・最近、発作はないか?』 「・・・大丈夫だよ。つうか、時間だから切るぞ。」 『そうか・・・じゃあな!』 いつもながら、切るのはやいな・・・母ちゃんは。 「おば様はいつもこの時間に電話をしてきますね。輝矢くんのことが心配なのですね。」 「ん? そうだな。」 実は、この時間に電話するのは俺が心配だからではなく・・・しょうみネエが心配だから電話するのだ。 俺の親はしょうみネエのことを我が娘のごとく可愛がっている。 だから、俺が一人でこっちに残ったのも賛成してくれた。 『お前が照美ちゃんを守ってやれ!』 『わかってるよ。母ちゃん。』 『てか、早く結婚しろ!』 『高校生の息子にムチャ言うな! 父ちゃん・・・アホだろ。』
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