優しい月

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「おめーは本当に人気者だな。てかお人好しか。」 「朝の挨拶は基本だと思うぞ。それに、困ってる人を助けるのは癖みたいなものだからしょうがないだろ?」 俺と勇次は学校まで走りながら、言い合いをしている。 「・・・・遅刻ギリギリまで挨拶して回ったあげく、婆さんの荷物を持って上げたりするのは確かにお前だけだな。」 勇次はため息をはきながら走っている。 「・・・そう言いながらも、俺に付き合って手伝ってくれたお前もお人好しだろ?」 なんだかんだ言いながらも勇次は手伝ってくれたからな。 「・・・おめー一人置いて学校行くほど腐っちゃいないさ。とっ、ヤベー! 門閉める前だ!」 校門を生徒指導の竹山先生が閉めようとしていた。 「竹山先生!」 「またお前等か。早く来んか! ギリギリだぞ!」 先生は俺らを出迎えてくれた。 「先生、おはようございます!」 「おう、おはよう! 水無月。人助けはいいが、遅刻するなよ。」 「はい。気をつけます。」 先生はいつものことだがと言いながら門を閉めた。 「・・・・先生。なぜオレダケシメダサレテルンデスカ?」 「お前挨拶しなかったろ?」 勇次は閉め出されていた。 「なんで輝矢だけ贔屓されるんだぁ!!」
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