優しい月

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「佐竹勇次。今日も生徒指導室に出頭するように。」 「・・・絶対、なんか手伝わす気だろ? て、輝矢君、助けてくれ!」 勇次は俺に助けを求めてきた。 「勇次・・・人助けはいいぞ。・・・・がんばれ!」 俺は勇次に向けてニッコリと笑い、親指を立てた。 「この、裏切り者おぉぉぉー!! オボエテロヨォ!!」 勇次、がんばれ! キーンコンカーンコーン 「ふぅ。ギリギリセーフ!」 俺は教室にたどり着いた。 「水無月君。今日もギリギリでしたね。」 「あ、先生。おはようございます!」 担任の水島先生がため息を付きながら言った。 「水無月君は出席と・・・。で、佐竹君はいつものごとく遅刻と。」 そして、いつもの通り授業がはじまった。 時間は流れ・・・昼休み。 「輝矢。屋上行こうぜ。」 「ああ。じゃあ先行っとくぞ。」 俺はそう言って屋上に向かった。 勇次は購買部でパンを買ってから来るので、俺は先に行って場所取りをするのが暗黙のルールだ。 場所は屋上か、中庭か、食堂だ。 まあ、俺は毎日弁当だからどこでもいいが、勇次はたまに食堂で食べたがるので付き合いで行くようにしている。 「み、水無月!」 場所を探していたら、後ろから声をかけられた。
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