優しい月

12/14
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
「うぃーす。どした、麻神さん?」 俺に声をかけてきたのは、同級生の麻神 美由紀だった。 「いや、その、なんだ、あ、ほ、ほら・・・えーと・・・・・。」 「?」 麻神さん、何か用なんだろうが何が言いたいのか解らんぞ。 「おおお、ひる、お昼、いっ、いっ」 「・・・・何やってんだ、麻神?」 勇次が変なものを見るように、麻神さんに声をかけてきた。 「あ、勇次。」 「げっ! 佐竹!!」 麻神さんは勇次を見た瞬間、顔を歪ませた。 まるで天敵を見るような感じで。 「げっはないだろ!? 失礼な奴やな!」 勇次は、俺の隣に歩み寄り腰かけた。 「・・・・麻神も突っ立ってないで座ったらどうだ? 飯食うんだろ?」 「えっ! ・・・あ、ああ。まあな! じゃ、じゃあお邪魔するぞ。」 そう言って麻神さんは、俺の隣に腰掛けた。 「さっき聞いた情報なんだが、おもしろい話があるぞ。」 勇次が焼そばパンを食べながら俺に話す。 「また、ろくでもない情報か?」 「おい! 俺がいつもろくでもない話ばかりするように聞こえるだがな!」 心外だとばかりに首を振る勇次。 「その通りだろ? 大概がくだらない話ばかりじゃん。ねぇ、麻神さん?」 麻神さんはうんと首を縦に振った。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!